妖怪シーリズ:犬神

今日の妖怪を描くのには大変時間がかかりました!次は何の妖怪かなと待ち遠しかった方もいると思います。しかし今日の妖怪は待つに値するものでしたよ!

今回の妖怪は、百鬼夜行展のお客様達から特別にリクエストされたものです。多くの方がお勧めされたように、今回の妖怪はとても興味深いものです。どうぞ今日の妖怪をお楽しみください!

Inugami

Inugami

Inugami (犬神)

犬神は憑き物であり、九州、四国、その他西日本で伝えられている。狐憑きとよく似ているが、狐が生息していないこれらの地域では犬神が有名である。
犬神信仰は古来から西日本から沖縄にかけて信じられており、強力な呪術師は儀式によって犬神を創る事が出来るとされ、この魂を使って非道な行いをするのだという。犬神は地域によっては「インガメ」,「イリガミ」と呼ばれることもある。

犬神を創りだした時代については知られていないが、平安時代には犬神を含め他の動物を呪物として使う呪術は禁止されていた。伝説によると、犬神を憑けるためには飢餓状態の犬の首を切り落とす必要があるという。首だけ出して体を埋めるか、鎖につないだ状態の空腹な犬の眼の前に食べ物を見せておくと空腹により凶暴になって、そこで犬が最も飢餓状態に達した時に首を切り落とすのだという。

この切断された頭部は辻道に埋められ、人々がこの頭の上の道を踏みつけ行き来する事によって恨みが増してその魂は怨霊となる。時にその切断された頭は食べ物めがけて飛びつくとも言われている。頭は焼いたり乾燥させたりした後に器に入れて祀られ、その魂は呪物として一生術者に使うのだという。

他の憑き物とおなじように強い情動によるものであるため、情緒不安定な人や弱い人間にとり憑くといわれている。犬神は耳から体内に入り内臓に留まるため、犬神を憑けられた人間は胸や手・足・肩に強い嫉妬心のような痛みを持って突然犬のように吠えだすのだという。また、激しい空腹によって大食になり死に至る者までおり、その死体には犬の歯型や掻き傷がみられるといわれている。

犬神は人間に憑くだけではなく、馬や牛などの動物や道具にまで及んでとり憑き、憑かれた者(物)たちは使い物にならなくなるという。

犬神持ちの人が他の家に犬神を憑かせてしまった場合や憑かされたと疑われた場合には、謝罪に行ってその犬神が離れるまで山で隠遁生活を強いられる事もあるという。場合によってはその子孫までそこで暮らさなくてはいけなくなるという。

犬神を使う技術は世襲され、その家系は犬神持ちとして知られており犬神持ちの人々は各々の犬神を床の下、箪笥、水瓶の中などに住まわせるという。犬神は世襲であるため、新しい家族が増えたとしてもその成員もまた犬神持ちになるといわれている。

犬神は主人の求める事のためにすばやく働くとされる。しかし、実態の犬と同じように、時には傲慢で残忍になった主人を裏切って彼を殺してしまう事もあるという。また逆に犬神を祀り上げていればその家に富をもたらすとされているが、その裏には災難があるともいわれている。


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妖怪シーリズ:犬神” への8件のコメント

  1. Do you think you’ll be able to do one on the Kejōrō, the Ao-bōzu, the Karasu-Tengu or the Yosuzume? Partly because I think the people who already read your book would be extremely interested in learning about many yōkai not in it and partly because you’d probably be able to easily create a sequel to it by just putting together entries from A-Yōkai-A-Day.

  2. Sure, I’ll see what I can do. 🙂 Karasu-tengu is already in my book, so I’ll see if I can get the other 3 in this month. Thanks for the requests!

  3. Oh, whoops. I guess I must’ve under the impression that the Ko-Tengu and the Karasu-Tengu were two different yōkai. Anyway, love your work. And since I was throwing ideas your way anyway, the Ōkami would do nicely to complete the animal-yōkai set together with the foxes, cats, raccoons, weasels and most recently dogs you’ve already covered. Speakig of foxes, would there be any point to elaborating on the Kyūbi? Sure, it’s technically kitsune but the kyuubi seem to have traits unique to them as well as stories, like the famous tale of Tamamo-no-Mae. Sorry for the millions of requests, I just love yōkai and your book along with the A-Yōkai-A-Day sries is not only the best depictions of yōkai since Toriyama Sekien, but probably also the greatest english-language resource of information.

  4. No need to apologize for the requests, I really appreciate them! 🙂 I’m glad to hear from people who are as enthusiastic about yokai as I am. I do plan on adding more about kitsune in my next book, including more on famous kitsune like Tamamo no Mae (whom I’ve covered before). Definitely post a comment whenever you have a yokai you want to see, and I’ll do my best to get around to them at some point. Thanks for reading!

  5. ピンバック: A-Yokai-A-Day: Kanashibari | MatthewMeyer.net

  6. ピンバック: Chapter 3 Postcript: Haruka’s Guardian | de's journal

  7. hi Matt i want to ask you, is there inugami story in your book “The Book of Yokai: Mysterious Creatures of Japanese Folklore”?

  8. Hi Margareth! My inugami entry is in my book The Hour of Meeting Evil Spirits. The Book of Yokai was written by Michael Dylan Foster, not by me. I don’t remember inugami being a part of it, however.

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