この「今日の妖怪シリーズ」のプロジェクトのために、私がいったいどうやってリサーチをしているのか?といったご質問を多くの方からいただきます。ご紹介している妖怪は私が創造したものではなく、全て100年以上前にあったものです。そのためほとんどの資料は大変古く、博物館などにあるためほとんどの情報はインターネットからとっています。しかしながら、図書館やAmazon.comで参考になる良い資料がみつかることもあります。Wikimedia Commons(ウィキメディア コモンズ)では、古い妖怪に関する画集を見ることができますし、日本のウィキペディアにはより多くの情報があります。妖怪についてもっと知りたい方のために、ここにいくつかご紹介します。
- Shigeru Mizuki: GeGeGe no Kitaro
- Toriyama Sekien: 画図百鬼夜行 (1776), 今昔画図続百鬼 (1779), 今昔百鬼拾遺 (1780), 画図百鬼徒然袋 (1784)
- Tosa Mitsunobu: Hyakki Yakko Zu
- Utagawa Yoshiiku
- Kawanabe Kyosai
- Sawaki Suushi: 百怪図巻 (1737)
それでは、今日の妖怪シリーズにまいりましょう。「今日の妖怪シリーズ」今日は毛羽毛現(けうけげん)です。毛羽毛現は本当に奇妙な妖怪ですが、ほんの少しかわいくもあります。毛羽毛現の漢字表記にはいくつかあり、「希有希見」や「希有希現」などで、いずれにしろ稀にしか見られないといった意味や羽のような毛といった意味があるようです。
毛羽毛現は湿っていて暗い場所に住み、病をもたらすものとされています。大変かわいらしい外見ですが、もしあなたがこの妖怪を家の中で見つけたならきっとひどい病気にかかってしまうでしょう。毛羽毛現に関しては、この言い伝えの他は情報が乏しいようです。
毛羽毛現を描いたものの中で最も古いものは鳥山石燕(とりやま せきいん)の妖怪画集にありますので、以前にもお話しましたが、もしかしたらこの毛羽毛現も石燕が創造した妖怪であるのかもしれません。もっとも、私はそれが悪いことだとは思わずむしろ楽しくて良い事だと考えています。
もし妖怪がペットとして人間にとって良いものであるならば、きっとこの子犬のような(小さくて毛深くて病気をもたらす)妖怪はうってつけでしょう。
My Etsy store でれまでの妖怪と英語版ですでに出ている妖怪達のプリント絵を買うことができます。チェックしてみてくださいね!