妖怪シリーズ:お露(怪談牡丹灯篭)

江戸時代、上流階級の人々の間では百物語会談会が流行っていました。百本の蝋燭か行燈を灯し、参加者は一人ずつ怪談話を披露して話が一つ終わるごとに灯を消してゆくというものです。多くの怪談話は有名な伝説になり、またそのような伝説は絵師によって描かれると共に書物や歌舞伎で紹介され、今日では映画にまでなっています。今回紹介するお話もそのような有名な伝説の一つです。

Otsuyu (The Tale of the Peony Lantern)

日本に伝わる有名な怪談話のひとつに、牡丹灯篭があります。これは17世紀ごろの中国の言い伝えが日本に伝わり姿を変えたもので、日本では大凡2通りのお話があります。一つは原作の牡丹灯記で、もう一つが歌舞伎や落語の形で伝わっている怪談牡丹灯籠です。歌舞伎や落語のものは主人公やストーリーを少しアレンジしてよりロマンスのあるものになっているようで、日本ではこちらの方がよく知られているようです。

では、怪談牡丹灯籠を紹介しましょう(これにも多くの話があり、それぞれに異なる点がありますが主となるストーリーは似ている所も多いです。今回はそのうちの一つをとりあげてご紹介したいと思います)。昔々、新三郎という男は美しい娘お露と恋に落ちました。彼らは共に添い遂げたいと考えていましたが、願い叶わずお露は新三郎に恋い焦がれて死んでしまい、その後下女のお米も後を追って死んでしまいました。

盆の十三夜、お露を偲んでいる新三郎のもとに牡丹灯籠を下げた二人の女が近づいてくる。よくよく顔を見るとそれはなんと死んだはずのお露とお米だったのです。死んだとばかり思っていたお露との再開に新三郎はたいそう喜びました。

それからというものお露はお米と共に牡丹灯籠を下げ、駒下駄の音を鳴らしながら毎晩新三郎のもとを訪れ、二人は逢瀬を楽しむようになっていったのです。

しかしある夜、なにやら不審に思った下男の半蔵がその現場を覗き見てしまいます。そしてそれを見た半蔵は驚きおののきました。なんと新三郎は骸骨と抱き合っているではないですか。お露がこの世のものではないと知った新三郎の家には魔除けの札がはられ、海音如来の金無垢のご尊像をお守りとして置かれました。するとお露とお米は新三郎の家に近寄る事ができなくなってしまったのです。

その後のお話は、半蔵が悲しむ主人を見かねて一夜だけお札を剥がしてお露と会わせてやったという話や、半蔵が金と引き替えに主人を裏切って札とご尊像を盗んでしまうであるとか色々とあります。「牡丹灯記」の方も併せて読んでみるととても興味深いお話ですよ。

私はこの牡丹灯籠の話がとても好きです。半蔵が裏切る方の話はもっと人間の欲とか嫉妬、愛情などが詰まっていて興味深いものです。

今日の妖怪は、骸骨と抱き合った男の絵ではなく私はお露とお米を描きました。グロテスクな絵を描くには1日ではちょっと難しいのでこちらにしましたが、また機会があれば描いてみたいと思います。

Otsuyu (Kaidan Botan Doro)

Otsuyu, from the Tale of the Peony Lantern

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  1. ピンバック: Folklore giapponese: la Hone-onna.

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